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イチ押し戦略　ふくい　企業の挑戦

スターフーズ（坂井）

地元素材で加工食品

多彩な商品　幅広い客層

　坂井市に焼き肉店「炭火焼肉一番星」を構えるスターフーズ（同市三国町楽円、中本貴久社長）は１９９２年、たれを漬け込んだ焼き肉用生肉の持ち帰り専門小売店としてスタート。焼き肉店は２００２年に現在地に移転した。
　「自然豊かで北前船の港町として栄えた歴史がある三国を象徴するような食べ物が作れないだろうか」。中本社長の思いを形にしたのが、焼き鯖寿司（さばすし）だ。００年に商品化。加工食品分野への挑戦が始まった。
　以後、焼き鯖ひじきやしょうゆ味の鯖をほぐした「まんま鯖」といった加工品を次々と商品化。レトルト分野にも進出し、コラーゲンスープや牛すじ煮込みを開発した。中でも１０年３月に商品化した「食べるラー油」は、全国的な流行という追い風にも乗って大ヒットした。
　商品のこだわりは地元の素材を使うこと。焼き鯖寿司のコメは、本県の特別栽培米コシヒカリを１００％使用。食べるラー油には、地元の甘エビ、ラッキョウ、特別栽培米コシヒカリなどを使っている。ラベルには「福井の宝　山海の幸」と記した。価格は大手業者より割高だが、中本社長は「素材を吟味し味にこだわった商品なら、消費者は買ってくれる」と話す。同年９月には「食べる焼肉のタレ」を商品化。ラー油に並ぶヒット商品として順調に売り上げを伸ばしている。
　商品は北陸を中心とした高速道路のインターチェンジや関西方面のＪＲ駅構内、百貨店などで販売。ネット販売にも力を入れており、売上高の約１割を占めるまでになった。若い女性が買い求めるケースも多く、多彩な商品をそろえることで、幅広い年齢層の顧客を獲得することに成功した。
　焼き肉店のフランチャイズ展開の話を持ちかけられることもしばしばあるが、すべて断っている。理由は「味が変わるのが嫌だから」（中本社長）。１店舗経営に集中した上で、新たな加工食品を世に出すスタイルを貫く。「今はＢ級グルメのメニューを考えている。既に案はある」と中本社長。これまでに１０品目を商品化したが、開発意欲は衰えを知らない。

福井新聞社

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