菜香やでは日々、様々なぬか漬けを作り研究を重ねてきました。
ぬか漬けってなあに?
発酵食品が話題の今、免疫力を高める乳酸菌をたっぷり含んだ「ぬか漬け」が注目されています。
一般的にぬか漬けは「植物性乳酸菌による発酵食品」と言われていますが、実はそれだけではありません。
乳酸菌以外にも酵母菌や酪酸菌、また各種細菌類などの様々な微生物が混じり合い、発酵された味によってできています。
そもそも乳酸菌は米ぬかには存在せず、野菜の切れ端などに存在する乳酸菌をぬかをベッドの役目として乳酸菌を育てるのがぬか床の目的です。
そのため、”捨て漬け”という作業を繰り返して乳酸菌を増やし、水分・塩を足してメンテナンスをしながらようやくぬか床が出来上ります。
ぬか漬けは非常に奥深い発酵食品です。そのため、ハードルが高く敬遠する方もいらっしゃるかと思います。
それでも昔から日本の伝統食として伝わってきたのには美味しいだけではなく、栄養面でも優れているすばらしい食品として見直されているからではないでしょうか。
手作りのぬか漬けは「美味しい」「体に優しい」「楽しく作れる」生活を豊かにしてくれる優れた食品なのです。

美味しいぬか漬けのつくりかた【簡単ぬか漬けレシピ】
基本の漬け方はとっても簡単!
【菜香や流】美味しいぬか漬けの漬け方
①野菜の準備
野菜にひとつまみの塩をよく揉み込んで、30分以上おきます。
*「ひとつまみ」の目安は、親指・人差し指・中指でつまめるくらいの量です。
[効果]
・ぬか床の味が浸透しやすくなり、漬ける時間短縮!
・緑黄色野菜が色良く漬け上がります。
・野菜の余分な水分がぬか床に入らず、お手入れ楽チン。
*塩もみをしなくても大丈夫な材料もあります。
②ぬか床に塩を入れよく混ぜる
ぬか床にもひとつまみの塩を入れてよくかき混ぜ、平らにならします。
ぬか漬けを作り続けていると、徐々にぬか床の塩分が減ってきます。そうなると味がしなくなったり、雑菌・カビが発生しますので、毎回塩を足してください。
③野菜をぬか床に入れる
野菜の水分をキッチンペーパー等でよく拭いてから、野菜どうしが重ならないようにぬか床の奥まで入れます。野菜を入れ終えたら、ぬか床を平にならしてください。
④仕上げをして冷蔵庫へ
キッチンペーパーで容器の縁を綺麗に拭います。また、キッチンペーパーを丸めたものを容器の四隅に入れ、蓋をして冷蔵庫で寝かせたら完成です。
*キッチンペーパーは翌日か、ぬか漬けを取り出す時に取り出してください。
ぬか漬けを作り続けていると、野菜の水分がぬか床にうつり水っぽくなりますが、キッチンペーパーで余分な水分を吸収できます。この方法は野菜を漬けている状態でも並行してできるのでとても便利です。
[ぬか床ってどうやって管理するの?]
菜香やではぬか床の保存方法は冷蔵庫をおすすめしています。冷蔵庫だとお手入れがとっても簡単!気軽に始めることができます。
ポイント
・かき混ぜるお手入れが1週間に1~2回でOK!
・低塩分でぬか床を作れるので塩分が気になる方もOK!
・少しの間、漬けすぎても味が変わらない!
[ぬか漬けの食べごろっていつ?]
野菜は冷蔵庫だと2日間くらいで漬かります。取り出してお好みでぬかを軽く拭い、切ってお召し上がりください。
菜香やではミルキークイーン米のぬかを使用し、それが他にはない甘い味わいを作り出しています。
ぬか漬けはすべて洗い流さずに召し上がっていただくのがおすすめです。
[漬かり具合の目安]
1日 サラダ感覚のぬか漬け
2日~ しっかりとした味のぬか漬け
5日以上 発酵が進み旨味のある古漬け
*塩辛く感じるときは流水で流すか、薄く切ってお召し上がりください。
[日々のお手入れはたったこれだけ!]
1週間に1~2回、ぬか床をかき混ぜましょう
乳酸菌は20度以上の温度帯で活発に活動します。冷蔵庫で保管すれば毎日かき混ぜなくても良好な状態を保てます。
ただ、常温で(特に気温が高い時期に)保管する場合は毎日かき混ぜてください。野菜を漬けていない時も、かき混ぜるお手入れだけは続けてください。
どうしても長期間お手入れができない場合は以下のように保管しましょう。
*再度ぬか漬けを始める時は2~3日は毎日よくかき混ぜてください。
(塩分濃度・水分量により条件が変わります。様子をみて行ってください。)
[1〜2週間ぬか床のお手入れができないときは]
表面に大さじ一杯の塩をふり、混ぜずにラップをかけて空気を遮断し、冷蔵庫で保管してください。
再度ぬか漬けを始める時は2〜3日は毎日よくかき混ぜてください。
[2週間以上ぬか床のお手入れができないときは]
フリーザーバッグに小分けして、冷凍庫で保存してください。
再度ぬか漬けを始める時は2〜3日は毎日よくかき混ぜてください。
[ぬか床の塩分と水分をチェックしましょう!]
ぬか床に野菜を入れると野菜から出る水分がぬか床に移行して、ぬか床の塩分が薄くなって乳酸菌の過剰発酵状態になります。
乳酸菌の過剰発酵は酸味が強いぬか漬けになります。
また、ぬか床が水っぽくなった状態にしておくと、正常な菌活動が行われず乳酸菌以外の雑菌が繁殖してしまいます。
ぬか床の水分量が多いと嫌な匂いを発する雑菌が繁殖します。
簡単にぬか床の水分を正常に保つための方法はYoutubeで公開中!
[美味しく続けられるようになったら、足しぬかをしましょう]
ぬか漬けを作り続けていると、取り出すときに多少のぬか漬けが付着してしまうため、だんだんとぬか床の量が減っていきます。
そんなときは足しぬかをしてあげましょう。
足し糠をする際には100gに対して7~10%の塩をよく混ぜてからぬか床に入れてください。
200gに対して大さじ一杯の塩と覚えておくと便利です。
そのまま入れてしまうと塩分が薄くなり雑菌や乳酸菌の繁殖につながります。

日本の誇るスローフード【ぬか漬け】
「スローフード」とは、「ファストフード」の反義語として、1986年に北イタリアにあるブラという小さな村で生まれた言葉だそうです。
そもそもファストフードとは「手早く調理され、注文してすぐに提供される食事」を意味します。
手軽に安価で食べられ、味もそれなりに美味しいとあり、このようなファストフードは世界的に広がりを見せていますが、食材の生産者や調理者の顔が見えることなく、どこで生産されたどのような食材や添加物が使用されているのかはっきりとは分からない、という問題点があります。
このようなファストフードの広がりに不安を感じたのが、北イタリア・ブラに住む食文化雑誌の編集者のカルロ・ペトリーニ氏とその友人たちでした。
彼らは「地域に根ざした食材を使用した、丁寧に作られた食事」を大切にしてもらいたいという思いから、ファストフードではなく食材を含め、ゆっくりじっくりと作られた「スローフード」という言葉を作り、現スローフード協会の前身である「アルチ・ゴーラ」という会を発足しました。
つまりスローフードの「スロー」とは、「ゆっくりと食事する」という意味ではなく、「土地土地にあった生産方法で丁寧に生産された食材を食べることで、食生活とその土地の魅力や文化を見直しましょう」ということです。
ぬか漬けはまさしく日本が誇る「スローフード」。
ビタミンB1が豊富なうえ、乳酸菌の整腸作用も抜群です。ぬか漬けに欠かせない「ぬか床」は、米ぬかと塩、水分を混ぜて乳酸発酵させたもので、昔の家庭には必ずあった日本の伝統食です。
日本が誇る「スローフード」を楽しんでみませんか?

ミルキークイーン米とは
1985年、食味が良く粘りの強い米の開発を目的として茨城県に設立されていた農業・食品産業技術総合研究機構農研機構(旧農業研究センター)の稲育種法研究室で研究がはじまり、コシヒカリの突然変異として誕生したのがミルキークイーンです。
ミルキークイーンは、アミロースが少ないので粘りが強いという特性があり、食べるとモチモチした食感が味わえます。
全国で栽培されている美味しいお米の品種コシヒカリの受精卵にMNU(メチルニトロソウレア)という突然変異原処理を行って育成され誕生しました。
米の生産調整が開始され、お米の味が良くないと売れない時代になってきてコシヒカリの子供であるあきたこまちやひとめぼれやヒノヒカリなどコシヒカリ同等の美味しさをもつお米がありますが、それらを超えるものとして誕生したのがミルキークイーンです。
ミルキークイーンはアミロースの量が少ない
お米のデンプンの分子には、アミロースとアミロペクチンがありアミロースの量が多いと硬くて美味しくないお米になります。
アミロースの量が少ないと柔らかくて日本人好みのモチモチした食感の美味しいお米になります。
ちなみにもち米には、アミロースが含まれておらずアミロペクチン100%で出来ています。
それであれだけモチモチになるのです。
低アミロース米とは
近年みなさまに好評が良いお米としてよく低アミロース米という言葉を聞く機会が増えてきていると思いますが、低アミロース米とは、先ほど説明したとおりお米のデンプンの分子のアミロースの含まれている量が15%以下のお米のことを言います。
コシヒカリのアミロース含有量は、約17%ほどだと言われております。
低アミロース米の特徴として冷めても硬くなりにくく粘りが強く炊き上がりの光沢があるというのが特徴です。